玄関までのアプロ―チの庭は行き交う人にも御覧いただけて、もちろん自分や家族も出かける時、そして帰ってくる時に自然と目に入る大事な場所ですね。
まわりの家並みにも自然を感じさせるそんな雑木の庭の印象付けるのが「アプローチの庭」です。
ここでは雑木の小道アプローチの庭の見せるポイントを見て行きます。
毎日アプローチを通るたびに気分良く過ごせるような雑木の庭なら、より楽しくなりますね!
訪れる人々に癒しを感じる緑豊かなアプロ―チの雑木の庭のレイアウトなどヒントを見ていきましょう。
温もりと自然を感じるアプローチの枕木素材
アプローチに沿って高木や下草を並べ、しつらえ(設え)で変化を付けながら玄関へ向かい入れるのが雑木のアプローチです。
その演出方法でまずは素材に着目して見て行きます。
床材や門柱などは周りの庭に溶け込むように自然素材で木の温もりとナチュラル感を演出します。
重そうなこげ茶色で厚みがある、枕木は踏みしめても木を感じる少しやわらかい感覚で懐かしさもあり、温かい雰囲気になります。
照明も暖色系でほんわかしたイメージを演出すると、より懐かしさが湧いてきます。
下草で彩るリズム感よいアプローチ
アプローチに添える植物もバリエーションを豊かに常緑樹、花木、地被植物で四季折々の彩りをアプローチに植物を植えることで、華やかさや豊かさを演出できます。
色んな植物を配置し、それぞれの植物の特性を四季折々の彩りを楽しみます。
アプローチ沿いに凸凹と植栽が出張って来るようにリズム感を意識して植栽すると楽しさが出て来ます。
道路沿いの間口で目に留まるスポット
アプローチにつながる道路沿いにも下草をバリエーション豊かに並べます。
家の前の雑木の庭を見てもらうように低い位置の植物と1mくらいの中木を葉の色と形を選んで配植します。
庭園灯の照明も通り沿いにも配置して通り沿いを明るくし、植栽の中でもしっかり防犯対策を兼ねた明かりのアプローチで家族やお客様を招き入れます。
夜の帰りに家に明かりがあると帰って来たとホッとしますね。
雑木に常緑樹を少し入れる
一年を通して緑を保ちアプローチに彩りを添える常緑樹は、防風と目隠し効果も期待できます。
侘び寂びにある庭は7割落葉樹、3割常緑樹くらいにしては如何でしょう。
冬はすべての木々が落葉すると寂しいので、少し常緑樹を混ぜて配植すると冬でも緑を保てます。
常緑樹が雑木では葉が大きいものがよくあるので、少し小さめの葉の常緑樹を選択すると空間の抜け感がでます。
侘び寂び
冬に葉が全くないのは寂しいですし、侘び寂びは季節に寄り、新緑が出たり落葉したりと季節の移ろいによって変わる風景が侘び寂びを感じます。
落葉樹は紅葉して葉が落ち、日本の四季を感じやすいものが多いです。
庭では植物以外では庭や木の枝に積もった雪や土の地面での霜なども冬の季節を感じます。
雑木の庭で土や木があると季節を感じるものの雑木の庭のメリットのひとつです。
春や梅雨の花で季節を感じる
例えば、花木は春にはエゴノキ・サワフタギ・アオダモの花、梅雨にはヒメシャラ・アジサイ、秋には紅葉など、季節に合わせた花木を植えるとアプローチが華やかになりますね。
中低木のガマズミ類のビバーナム・ティヌスも春の早い時期の3月くらいから咲き始めます。
1年ではひとときですが、華やかになります。直径5,6ミリの小さな花が塊で咲き、木全体が花に包まれます。
常緑樹で2月初旬から蕾が付き今か今かと待ちこがれます。
宿根草や額紫陽花など花や額が木全体を覆うようなものではなく、葉の間にしっぽりと咲くような自然な花も雑木の庭には似合います。
花はボーナスと考えて、下草や葉で庭を整え季節を感じる草花などをポイントで混ぜ込むと溶け込みます。
目にやさしい地被植物。無意識に心身のストレスを軽減する効果
地被植物は地面を覆い、『緑色の面』で魅せてくれます。
一面が緑だと目にやさしいですね。自然に気付かずに心がリラックスします。
また実用的に雑草の抑制効果がある地被植物は、アプローチを美しく保つのに役立ちます。
多少踏まれても強いので、また蘇ります。
セダムなどかわいく育ちます。
苔なども良いですね。西日の当たらない日陰で育て、水を保つなどの工夫は必要になります。
アプローチの植栽レイアウトと樹形
アプローチ沿いに高木と低木・下草を揃え、玄関へいざないます。
高木が玄関がわかるように人の身長から3mくらいの高さは枝が無く見通しのよい状態にします。
高木を並べるのではなく、点在させてレイアウトします。
フェンス際はある程度は仕方ないですが、少し人の通るアプローチをクランクさせて、その傍に幹だけ見せてくれる高木をするなどして、自然な生息っぽい配置の植え方にします。
フェンス庭は背景に自然素材のウッドフェンスなどにして隣家のお庭を見るのではなく、自分の庭で完結させます。
フェンス際の植栽は並びがちですが、低木の高さや葉の形を変えて、変化を付けて並んでいるように見せないこともコツになります。
アイキャッチ(視点場)
下草がよりよく見えて、視点場が増えます。
アイキャッチが多いと見るところがたくさんあり、お出かけの行き帰りも毎日飽きずに楽しめます。
花や植物も多種多様な種類を植えるといろどり豊かなアプロ―チで、お客様や行き交う人も心が和みますね。
広場と通路つながりと枕木の隙間でリズム感あふれるアプローチ
真っすぐに玄関にアプローチせず広い枕木の空間と通路で床面に変化を出します。
アプローチを照らす幻想的な照明
ランタン(マリンライト)、庭園灯、スポットライト、ガーデンライトで庭を照らします。
庭園灯がアプローチを照らし出し、幻想的な雰囲気を演出します。
ランタン(マリンライト)、庭園灯、スポットライト、足元灯など様々な照明を使い分けると演出効果が抜群です。
光の色は電球色(ランプ色)、温白色など色温度が低い電球が温かみのあるロマンチックで綺麗な夜の庭になります。
空中にともる灯(庭園灯)、床をじんわり照らす光、下から木の葉に当てるライトアップ、フットライトなどいろいろと組み合わせてみましょう。
初夏も緑の木々や紫陽花の間に蛍が灯るようでしっとりします。
秋の夜長の月夜など幻想的なお庭になるでしょう。
下草の組合せで変化のあるアプローチ
アプローチ沿いに下草や草花を種類多く組み合わせて植えて見ます。
下草の植物の種類が多いと道々に変化があり、場所場所にが見どころが多く楽しくなります。
花は鮮やかな色を並べて植えず、下草の緑の間に入れ込むようにして統一感を出して見ます。
あくまでも下草の葉がいつも緑で、ある時期だけ花があるような控えめな花を入れるとナチュラルな雑木のアプローチになります。
たまに中木を植えて下草の中でも高さに変化を付けます。
その時、中木(ちゅうぼく)もあまり葉が多くつき過ぎない向こうが見えるくらいのすいた樹形の植物を選んでいます。
まちの景色づくり
アプローチ沿いの雑木の庭はまちの沿道の景色づくりにも良い影響を与えますね。
通りを歩く皆さまにも緑を見てもらい穏やかな気分になってほしいですね。
野鳥たちも飛んできて、数種のいろんなさえずりを聞かせてくれることもよくあります。
そうして緑や生物のいる自然環境の豊かなまちに育っていきます。