アオダモの発芽後の植替えについて
当ショップでも毎年たくさんアオダモが種から芽出します。
年(温度、水分、日光、場所)や種子によって、発芽しにくい場合もあり、発芽率がよくない場合もあり30%としています。
植え替えて定植し易い方法やポットの苗数により植替え方法を変えるので、その方法を紹介していきます。
アオダモの植替えポットにひとつの苗が発芽したときと、ポットに複数の苗が発芽し分けたい時など、ポット苗ごとや苗を取り出して植替えなど、アオダモの植替え方法にもバリエーションがあります。
そのいくつかの植替えを解説していきます。
他の苗木でも同様ですが、アオダモの発芽したての苗の根はやわらかいです。
やさしく扱います。とはいっても自然に生息しているから、生命力もあるので強さもあります。
では、具体的なケースで見て行きましょう!
ポットにひとつ苗が発芽したとき
ポットは土もそのままの状態で土ごと植え替えます。
根の形がかたまっているので、根を崩さないようにあたらしい場所に植え付けます。
育苗トレイで育てているときも、スプーンなどで土ごとすくって植え付けると根鉢もそのままに楽に植え付けられます。
植え替える土の周りに腐葉土や肥料などを適量入れておくと育ちやすいです。
成木は12月~3月くらいの休眠期に植え替えると良いのは通説ですが、発芽したての苗では5~6月に植え替えても普通に育つことが多いです。
植替え後は水分を多めにし、根が周りの新しい土に馴染むように湿らせておくと根が定着しやすくなります。
複数芽出した時にそのまま育てるか?
雑木が2種類混植したり、同じ樹種での株立ち風の見えるものもあります。
大きくなると根が絡まり分離がしにくくなります。
自然でも2株以上が同じ場所で育つことはあるので、狭い場所出なければそのまま育てても育ちます。
互いの木の根が絡まり混雑し水の吸収が悪くなることも、もちろんあります。
小さな鉢やポットでは約30㎝~1mくらいまでは普通に育ちますが大きくなると其々の苗の根が絡まることになります。
アオダモの植替えを写真で順に見る!
アオダモの植替えを写真で順番の見て行きます。
例でひとつのポット苗でひと回り大きなポットに植え替えて行きます。
まずはポット苗にきれいに芽出した苗です。本葉がいくつか出て来ています。
まずは根を傷めないようにポットの土を水で湿らせます。
柔らかい土なのでここでは、指で取り出していきます。硬い土などでは小さなスプーンやスコップでもいいですが、手はステンレスや鉄に比べるとやわらかので、根に傷が付きにくいですね。
毎回、手では面倒なので、たくさんの植替えではスプーンなどが掬うと楽に早く作業できます。
まわりの土ごと取れないときは、根をやさしく取り出します。
腐葉土などのやわらかい土では簡単に苗のまわりから土ごと根を傷めないように取れます。
まわりの土ごと救えない場合は、極力土が残るようにようにして苗を抜くといいでしょう。
根を引っ張っったりしないように、水分がある方が根がまわりの土からほどけやすいです。
今度は植え替える方の大きめのポットです。
新しい大きめのポットに土を入れ、植替えしやすい程の大きさの穴をあけます。
取り出した苗を新しいポットに植え替えます。
土ごとまたは苗の根をやさしく包み込むように土を入れます。
新しい鉢の苗と土の空いた隙間に土を入れます。
元の苗も同様に空いた隙間に土を入れます。
水で湿らせた土を指などで締め固めて苗を固定します。
植替え後の土も植替え前の土と似た土に植え替えると育ち易いですね。
これで植替えの基本作業は以上です。
注意点ではないですが、やはり全ての苗が全部うまく植替えが成功する訳ではありません。
やはりうまく定植しない苗もありますので、そのくらいの気持ちでやってみましょう。
苗まわりの前の土ごとを移植すると、根の土との接地面も変わらず・傷まず土の環境も接している根の一部は変わらない
ので割と定植し易いです。
苗が小さい間はやわらかい土で育てると発芽もしやすいです。
苗木が大きくなるとやわらかい土でなくても十分育ちます。
発芽して数か月くらいの苗なら、植替え場所(地植えでも植木鉢やポットでも)に指2,3本から適度な大きさの穴をあけ、そこにアオダモ苗を根と土ごと差し込みまわりの土に馴染ませます。
複数芽出したとき(育苗トレイやポリポットなど)の植替え
複数の苗の分け方について
例えば、ひとつのポットに2つの苗が発芽した場合は片方の苗を移植します。
ポットに離れている場所に芽出したときは、半分など土ごと取り出せれば植え替えができますが、接近して芽出したときは、苗を取り分けて移植します。
まずは移植する方の苗を取り出します。
ひと苗ずつ分けて植え替えすることはもちろん可能なので、やさしく分離させてあげましょう。
種蒔き土・腐葉土やホームセンターの野菜や花の土のように土がやわらかければ、先ほどのように指でやさしく掘り出して植え替えて問題ありません。
根が傷まない様に気を付けて取り出して見ましょう。
小さな苗なので根がなくなってしますとやはり枯れてしまいます。
ふたつの苗が近くに芽出した場合は、片方を取り出します。
基本は土ごと取り出せれば理想的ですが、うまく分離できないこともよくあります。
そんな時の取り出し方は小さな苗を茎ごと引っ張るのではなく、指や優しくスプーンや小さなスコップなどで根ごと土から掘り出してみましょう。
写真ではわかりやすいように素手で作業していますが、ガーデン手袋などで作業すると良いでしょう。
もっとくっ付いている時は手で根を傷めないようにふたつに分けます。
そして片方を新しいポットに植え付けます。
その後たっぷりと水をやり湿潤した状態にします。
底まで浸透するまでしっかりと土の全てに水が浸み込むまで水で湿らせます。
そして2週間から20日間くらいは湿った状態を保つ様にして気をつけてやれば、普通の苗として育っていきます。
植替え後の水やりと育ち方
植替え直後の苗の様子
植え替えた直後は、根がその新しい土に馴染む時間となり、一時的に育ちが悪くなり成長がとまったように見えます。
馴染んだ後は普通に育てれば、問題ありません。
水やり
春・秋なら朝1回の水やり、夏は朝夕の2回の潅水がよいと思います。
地植えでの方が鉢植えに比べると、土の量が多いので外気の暑い温度から土の中の温度は影響は受けにくいです。
鉢植えでは特に夏場は水分が飛び、乾きやすくなるので、真夏の酷暑の時期では注意が必要です。
鉢植えでは30度を超える日が続くとお水は朝夕の2回を欠かさずやるのがよいと思います。
植木鉢では土の量が少なく、根が回ると鉢の下のみならず横から夏の暑さから熱が伝わり、水分が抜けやすいのです。
特にコンクリートの上だと熱が伝わり易いです。
レンガやブロックをふたつ置いて地面から浮かしてその上に植木鉢を置くと直接コンクリートの熱も受けずにまだ影響を軽減できます。
繰り返しになりますが、夏は植木鉢の横からも直射日光や熱が伝わり根に良い環境ではありませんので、たっぷり水をやって根まで水が浸透し、冷やす効果も期待できますね。
また土も水分が抜けて乾いて、根が伸びにくい堅い土になりやすいです。
そうゆう面からも地植えの方が土の保水力があり、土量も多く根も張りやすく成長も早いと思います。
新しい土に馴染み根を伸ばすことで定植すると、またふたたび苗の成長が始まります。
小さな苗木の定植前後の育て方(潅水)
定植するまではお水を少し多めにして湿った状態の土を保ちます。概ね経験では2週間くらいです。
定植したあとは通常の苗と同じ育て方です。
植替え時が5,6月だと梅雨に入るとカビ菌などが発達し、苗が混雑すると風通りが悪くなり発病はしやすくなります。
カビ菌はいろいろ種類がありますが、雨が地面に当たってその跳ね返りで葉の裏に付き繁殖しやすいと言われています。
注意点をいろいろ聞くと心配になるかもしれませんが、あまり気にせずに植替えます。
複数芽出したポットや植木鉢では、幾つかはそのままにしてみるなど、いろいろアオダモを楽しめます。